五感の哲学を読み終えて。
とても奥が深かった。
五感を私たちの暮らしからだけでなく、社会史、哲学と言った方面からも考察されていてとても興味深く最後まで読むことができました。
ここからはネタバレです。
○五感について
・センサーとしての五感。
・リミッターとしての五感。
と著者は大きく捉えていた。
これはまさに陰と陽の関係ではないか!?
センサーとしての五感とは、そのままの意味だが、リミッターとしての五感とは、どういう意味か?
それは
この現実世界のあらゆる事象を五感で感じ取ることができるとしたらわたしたちの精神は木っ端微塵に砕け散るだろう…。
だから五感がリミッターの役目を果たしているのだと。
なるほど…。
だからわたしたちの精神は成長するごとに五感を通して拡大していくのかもしれません。
と
妙に納得してしまいました。
ではそれぞれの感覚から気にやったものをピックアップしてみます。
○味覚
・顔断ち(がんだち)
・茶道
・味覚センサー
・味覚を通して体の声を聞く
・美味しいものとの出会い
・共同体の食から個食化へ変わっていった
・かまどがわたしたちの食を変えた。
・『破壊のかまど』ルドルフ=シュタイナー
・かまどは人の生命力を増大させた。
などなど
○臭覚
・鼻が利くとは
・テレビは無味無臭
・匂わないのが文明だ
・生き物は強い香りを放っている
・匂いが心を育てている
・香りの差異を見分ける精神修行
・香りは世界を支配する『香水ある人殺しの物語』
・香りは移ろい流れていく
などなど
○触覚
・主観と客観
・抱擁と安心感
・魔除けとして結び目
・探り当てる触覚
・『アリストテレスの錯覚』
・目を閉じてこそ到達できる感覚がある。
などなど
○聴覚
・可聴域
・自然界になかった音や騒音
・耳を澄ます
・黒澤明『生きる』
・外界の音を全て均等に聴いている訳ではない
・喧騒のシャワーを浴びながら
・選択的に聴力を働かせることができる
・音で気持ちが操作される
・声のもつ洗脳の力
・自分の声に深く耳を傾けて自分自身に影響を与えていく
・マインドコントロール
・ハイパーソニックエフェクト
・生体リズムを奏でる
などなど
○視覚
・目を疑う世界
・見えなくなっているもの
・自分に関心ないものは見えない
・存在していることにすら気がつかない
・どれだけ注力してもゆっくり変化していけば状況が大きく変わっていく。それは誰も気づけない。
・見えない礼儀と冷たい無視『広告都市東京』
・カメラになれた子どもたち
・驚異の映像になれる
・死者が動いている世界
・色彩の変化を観察する
などなど
と
重要そうなキーワードをピックアップしてみました。
感のいい人はこれだけでも十分ですね。
いかがでしたか?
まとめ
最後に著者は五感の融合について説明しておられます。
・文字禍
・言葉という暗号
・ヴェール
です。
そして、決まりごとから解放されて 感覚 に磨きをかける 修行 が必要である。
とおっしゃっています。
さらに
・石を見つめる
・瞑想水の如し
・後ろめたさを味わう
です。
詳しい内容は是非、本書を手にしてみて下さい。
人生は修行です。
苦行ではありません。
くれぐれも間違えないように!!!
では
わたしと一緒に五感磨きの旅へ
レッツゴー!!!
おしまい。