私はそのキャラが好きだった。
去年か今年に入ってからか分からないが駅のホームで髪を綺麗にポニーテイルにしている女性を見かけるようになった。
寒い中、髪を結んでいるのと後ろ姿、その姿勢がとても美しく印象的であった。いくつなんだろう?どうみてもまだ20代。しかも前半くらいに見える…。
さて
私は決まって彼女の2つ横の乗車位置から電車に乗る毎日で彼女のことが何となく気になっていった。そして似ていたのもあってジェリコさんと名付けて密かに楽しんでいました。
2月に入ってから様子が変わっていきました。2つ横の乗車位置から電車に乗り込んだはずの彼女が車内を移動して私の近くまで来たのです。
少し愕きましたが、まあそういうこともあるだろうと。
次の日、ジェリコさんは2つ横の乗車位置からではなく私の1つ横で電車を待っていました。
そして次の日、再び2つ横の乗車位置へ戻りというようなことを繰り返していました。
私は大人な対応を心がていましたのでジェリコさんを凝視したり避けたりはしなかったし意識しているのもバレないようしていたつもりです。
それにその後電車は乗り換えが必要であり、私の乗り込んだ位置が非常に乗り換えに便利だからジェリコさんがこの位置に変更しただけとも取れるからです。
それから更に一緒の乗車位置から扉の左右に分かれて乗り込むようになり車内で近くにいることが増えました。
大体ジェリコさんは扉に横向きにもたれかかりツンとすましていました。
何故か私の視界に入る位置取りをしてきているのが印象的でした。
この頃から私はもうドキドキしっぱなしでした。
ジェリコさんはなんだかんだ横目で私の様子を伺っている感じもあったからです。
ちょうどホワイトデーが過ぎたかその前だったか曖昧ですが、その日は髪をほどいていました。茶色いストレートな髪で肩くらいまであって、とてもキレイでした。
魅力のある女性は光って見えるという言葉通り時折彼女は光って見えました。
3月もまもなく終わりの頃、何となくお互いに煮詰まってきたような印象がありました。
そして
4月に入り事件は起きました。
なんと乗り換えの電車が向かえのホームではなく階段を登っていかなければならないホームに変わってしまったのです。
お互いの姿は人混みに消えました。
私は彼女の下車する駅さえ知りません。
そして、運悪く私の在宅勤務も重なりそれからジェリコさんに会うことはなくなりました。
つづく。
おまけ
禁欲効果で有名な電車効果というものがあります。まさにその電車効果を体験したというお話です。
私には想いがあります。
ジェリコさんとの関係性においてもジェリコさんと私だけの特別な関係なのです。
正直彼女が私に対してどのように思っているかなんてわからないのです。
だけど、こんな形でもお互い意識し合っていてそれがお互いにプラスになれば最高じゃないですか?
このあと仕事に向かいテンション上げて仕事が出来るかもしれません。
私はこの出来事でも考察しています。
それは、女性は見られたい生き物であると…。
だからジロジロとかではなく、見ているというよりも、意識しています。存在に感謝しています的な感じを表現し受け入れてもらえるか?彼女も意識してくれているか?
を見ているのです。
そしてこんな状況の中でも、それぞれに良い人が現れるかもしれませんし。
私は彼女が欲しいというエゴと戦いながら、彼女の幸せを願えるように日々修行しているのです。
だから結果にこだわらないし、毎日毎日彼女の元気な姿を見られることが私にとっても幸せなのです。
と
こんな感じでとりあえず
おしまい。