森羅万象をゆく。

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ナポレオン・ヒル 悪魔を出し抜け!⑦

学校とは子供たちに考えることを教える場所だとばかり思っていました。

 

 

確かにそれが学校の目的なのかもしれないが、世界中のほとんどの国の教育制度では、その目的が果たされることはない。

生徒たちは、自分の頭を鍛え、それを使って考えることの代わりに、他人の考えを借りてきて、それを使うことを教えられる。

このような教育では子供たちの考える力は潰されてしまう。ほんのわずかな例外的な子供たちだけが、自分の意思の力だけを頼りとし、他人が自分の代わりに考えることを許さないのだ。

正しい思考は対抗勢力の考えることで、私には関係ないことだ。

 

 

あなたの対抗勢力が家族や教会や学校と何か関係があるとすれば、それはどういう関係でしょうか?

あなたがこの質問にどう答えるか、非常に興味深いです。

 

 

その点については、私はさらに巧妙なトリックをいくつか使っている。

親や教師や宗教指導者たちのしていることが、すべて対抗勢力の仕業に見えるようにしているのだ。

そうすれば、私が子供たちを操っている間も、私に関心が向くことはない。

宗教指導者たちが対抗勢力を讃えようとするときは、ふつう私の名前を出して子供たちを怯えさせるが、これはすべて私が彼らにやらせていることなのだ。

私は子供たちの心に恐怖の火をつけ、彼らの持つ正しく考える力を破壊する。

学校では、教師からさして重要でもない情報を頭に詰め込めと口やかましく言われるので、子供たちは正しく考えたり、教えられたことをきちんと分析する暇もない。

教師たちは、そうやって私の目標の達成を後押ししているのだ。

 

 

「流される」という習慣に縛られている人は、みなあなたの支配下にあるのですか?

 

 

それは違う。「流される」というのは、自分で考える力を人間から奪うために私が使うトリックの一つにすぎない。

 「流される」人間を永久に私の所有物にするためには、さらにその人間をけしかけ、別のトリックで惑わす必要がある。

その別のトリックについては、「流される」人間を作るための方法をすべて説明したあとに話そう。

 

 

二度と自分で自分を救うことができないほど、その人間を自分では物事が決定できないようにする方法を、あなたは持っているというのですか?

 

 

そうだ。絶対確実な方法だ。

その効果は実に強力で、一度も失敗したことはない。

 

 

その方法は非常に強力なので、「流される」ことによってあなたに永久に惑わされたものは、対抗勢力も取り戻すことができないというのですね?

 

 

まさにその通りだ!対抗勢力が私の邪魔をできるとしたら、私がこんなに多くの人間を支配することなどできるわけがない。

私が人間をコントロールするのをやめさせることができるのは、人間自身だけなのだ。

私を止めることができるのは正しい思考の力だけだ。

正しく考える人間はどんなことについても「流される」ことはない。

彼らは自分の意識が持つ力を知っているのだ。

また、彼らは他人からその力を奪うことはしないし、他人あるいは他の勢力に自分のその力を手渡したりもしない。

 

 

あなたが人間を地獄へと引きずり下ろす方法についてもっと話してください。

 

 

私はあらゆる場面で人間を「流される」よう仕向けており、それによって、彼らの自主的な思考や行動をコントロールしている。その一つが、健康の問題だ。

私の誘導によって、人間は食べ過ぎたり、間違った食べ物を食べたりする。

これによって消化不良が起こり、正しく考える力が破壊される。もし、学校や教会が子供たちに正しい食べ方についてもっと教えていれば、私の目標に回復不能なダメージを与えていたことだろう。

 

【結婚】

私の誘導により、これから結婚しようという男女は、互いの関係を調和あるものにしようという計画や決意を何一つ持たないまま結ばれる。

これが、人間に「流される」習慣をつけさせるための最も効果的な方法の一つなのだ。彼らは私の誘導により、お金のことで口論したり文句を言いあったり、子供の育て方を巡ってケンカをしたりする。

また夫婦の営みについて不愉快な論争をし、友人との付き合いや社会生活について意見を対立させる。

互いの欠点を探すのに忙しく、他のことをする時間はほとんどないため、「流される」習慣から抜けることができない。

 

【職業】

私の誘導により、人間は学校を卒業するとすぐ、生計を立てること以外の何の明確な計画や目標もなしに、最初に見つけた仕事に就く。

これにより、私は彼らに「流される」ことを教えるのだ。

このトリックを使って、私は何百万もの人間を貧困という恐怖の中に一生閉じ込めておく。

そして、その恐怖を通して、ゆっくりと、だが確実に、「流される」という習慣をやめることができなくるところまで彼らを導くのだ。

 

【貯蓄】

私の誘導により、人間は好きなだけ金を使い、貯蓄はほんの少し、あるいはまったくしなくなる。

そうして、私は最終的に貧困という恐怖によって彼らを完全に支配することができるようになる。

 

【環境】

私の誘導により、人間は家庭や職場での対人関係、また親戚や知人との付き合いという人的な環境を調和のない不愉快なものにする。

そして、彼らをその状態に留めている間に、私は「流される」習慣を通して彼らを自分のものとする。

 

【支配的な考え】

私の誘導により、人間は否定的に考える習慣を持つようになる。そこから、否定的な行動や他人との対立が生まれ、恐怖が彼らの意識を満たすようになる。

それによって、私は彼らの意識に入り込み、それをコントロールできるようになるのだ。

私が人間の意識に入り込めるのは、彼らの否定的な考えを通して人間の意識に訴えかけるからだが、その否定的な考えを人間は自分のものだと信じ込んでいる。

教会の説教壇や新聞、テレビ、ラジオなど、人間が好むあらゆる方法を使って私は彼らの意識に訴えかけ、否定的な考えのを彼らの意識の中に植え付ける。

私の誘導により、人間は彼らに代わって私に考えさせるようになる。

なぜなら、彼らはあまりにも怠情無関心であるため、自分の頭で考えることができないからだ。

 

 

つまり「流される」というのは「先送りする」のと同じだということですね?

 

 

その通りだ。

人間に先送りさせる。つまり明確な決定に至らないようにさせる習慣はどれも、「流される」習慣につながるものだ。

 

怠情+無関心=先送り=流される

 

 

流されるのは人間だけですか?

 

 

そうだ。人間以外はみな確固たる大自然の法則に呼応して動く。

 

人間だけがそれに反抗し、好き勝手に流されるのだ。

人間の意識の外にあるものはすべて対抗勢力がコントロールしている。

 

その法則は絶対であり、何事も流されるなどということはあり得ない。私が人間の意識をコントロールできるのは、ひとえに人間が「流される」習慣を持っているからだ。

言い換えれば、私が人間の意識をコントロールできるのは、人間が自分の頭で考えることをおざなりにしたり、拒んだりするからだ。

 

 

 

つづく…。

 

 

 

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