そんな話はほとんど信じられません。陛下、私はいままでずっと、子供たちの一番の友人は彼らの最も身近な人たち、つまり親、教師、そして宗教指導者たちだと信じていました。自分たちを監督する立場にあるそういう人たちを頼れないとしたら、子供たちはいったい誰に助言を求めればいいのでしょう?
そこが私の頭のいいところなのだ。私がいかにして人類の98%を支配しているのか、その明確な説明がそこにある。
私は、人間がまだ幼いうちに、彼らがまだ意識を自分のものとする前に、子供たちを管理している者を使って彼らを我が物とするのだ。
特に私が頼りにしているのは、子供たちに宗教的指導を行う者の手助けだ。
人間はこの世界のことなど何も分かっていない。
そんな人間の意識を、宗教家の唱える証明不可能な説で混乱させることで、私は人間から自分の頭で考える力を奪い、何事にも「流される」という習慣を身につけさせるのだ。
また、恐怖の中でも最悪の恐怖、つまり地獄という恐怖を子供たちの意識に植えつけるのも、この宗教の世界でのことなのだ。
子供を地獄という恐怖で脅すというのは、あなたならいとも簡単なことでしょう。でも、大人になって自分で考えることを学んだ人間に、引き続き悪魔や地獄を恐れさせるには、いったいどんな方法を使うのですか?
確かに子供は大きくなるものだが、必ずしも自分の頭で考えることを学ぶとは限らない!いったん私が恐怖によって子供の意識を支配し、その子が自分の頭で考え判断する力を弱めてしまえば、その子は一生その力を回復することはできないのだ。
人間が自分の意識を完全に自分のものとする前に、それを汚すことで優位に立つなんて、卑怯だとは思いませんか?
それで私の目的が達せられるならば、卑怯などということはまったくない。私は正しいとか間違っているとかいう馬鹿げた概念に縛られたりはしないのだ。
私にとって力は正義だ。人間の意識を手に入れ、それを支配し続けるためなら、人間の持つどんな弱点も私は利用する。
あなたが心底悪魔であることがよくわかりました。では、あなたが人間を地上から地獄へと引きずり下ろす方法に話を戻しましょう。
あなたの告白を聞いて、あなたが子供たちを彼らの意識がまだ未熟で何事にも影響を受けやすいうちに自分のものにしてしまうということはわかりましたが、彼らを「流される」人間にするためには、親や教師や宗教指導者たちを利用する方法について、もう少し話してもらえませんか?
私のお気に入りの方法は、奮闘している親と宗教指導者たちを結び付け、彼らがいっしょになって、子供たちの自分で考える力を破壊しようとする私を援助するよう仕向けることだ。私は多くの宗教指導者を使って、子供たちに私を恐れるよう教え込ませ、子供たちの自発的に考える勇気と力を弱体化させているが、同時に親たちにも、私のその大事な仕事をしている宗教指導者たちを手伝わせているのだ。
子供たちの自分で考える力を破壊しようとする宗教指導者たちを、親たちはどうやって助けているのですか?そんなとんでもない話は聞いたことがありません!
そのトリックがまた実に巧妙なのだ。私は、宗教、政治、結婚、その他重要なことは何でも、親の信じる通りに子供も信じるようにと、親から子に教え込ませている。
おまえにもわかるだろう。
このようにして、一人の人間の意識さえ支配してしまえば、その人間を通じて次の世代の意識も支配することができる。
それを続けていけば、私は自分の支配をいとも簡単に永続させることができるのだ。
親を使って子供を「流される」人間にする方法には、他にどんなものがありますか?
親を手本にするよう子供を仕向けるのだ。ほとんどの親はすでに私の支配下にあり、永久に私の目標のために隷属させられている。地球上のある場所では、人間が自分より知能の低い動物を操るのとまったく同じ方法で、子供たちの意識を支配し、彼らの意識の力を弱めることもある。
子供を怯えさせることができるなら、その方法にはこだわらない。
私は子供の恐れる心を通じてその意識に入り込み、その子が自分の頭で考える力を制限するのだ。
どうもあなたは、人間を考えさせないようにするために、随分と努力しているようですね。
そうだ。正しい思考は私にとって死を意味する。
私は正しく考える人間の思考の中には存在することができないのだ。人間が恐怖や落胆、失望、自滅などといった思考をしている間は特に問題はない。
しかし、信心、勇気、希望、明確な目標などといった建設的な思考を始めると、そのとたん、彼らは対抗勢力の側につき、もはや私のものでなくなる。
あなたが子供たちの意識をコントロールするのに、親や宗教指導者たちの助けを借りる方法についてはだいぶわかってきましたが、そのあなたのおぞましい行為に対して、学校の教師がどのような手助けをするのかがまだよくわかりません。
教師たちが学校で教えていることは大して私の役には立っていない。
むしろ、彼らが何も教えていないということが私を助けているのだ。学校教育の制度そのものが、自分の頭を使って考えることを子供たちに教えようとはしないので、私の目標に利するようにできている。
実は、いつか勇気のある人間がいまのこの制度をひっくり返し、私の目標に致命的な打撃を加えるのではないかとびくびくしているのだ。
そこでは、生徒自らが教える者になり、教師という立場にある者は単なるガイド役となって、自分の意識を内側から育てる方法を子供たちが確立するのを助ける。そうなれば、教師はもはや私の協力者ではなくなる。
つづく…。