森羅万象をゆく。

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ナポレオン・ヒル 悪魔を出し抜け!④

さきほど、対抗勢力と言われましたが、それはどういう意味ですか?

 

この世界に存在する、愛、信念、希望、楽観主義といった積極的な力は、すべて私の対抗勢力が支配している。対抗勢力はまた、宇宙を制御する自然法則のうちの積極的な要素も支配している。

地球や惑星といったすべての星が一定の調和のもとに動いているのもこの力によるものだ。しかし、そういった力は、私が支配する、人間の意識の中で働く力に比べれば弱いものだ。

だから、私は星や惑星を支配したいとは思わない、私が支配したいのは人間の意識なのだ。

 

あなたはどこでその力を得たのですか?また、どのようにしてそれを強化しているのですか?

 

死んだ人間があの世への門をくぐってきたとき、彼らの意識の力を自分のものにすることによって強化している。人間が地上からこちらの次元へ戻ってくると、100人中98人までは私のものとなる。

そのとき彼らの持っていた意識の力が私に存在する力を与えるのだ。

恐怖心をたずさえて来た者はみな私のものとなる。知っての通り、私は死を目前にした人の意識に休むことなく働きかけている。

それは、彼らがこちらの次元へ戻ってきたとき、その力を自分のものにするためなのだ。

 

人間の意識を支配するためにどのような働きかけをしているのか、教えてもらえませんか?

 

人間が生きている間に彼らの意識を支配する方法はいくらでもある。まず、物質的な富の蓄積をあきらめさせる。貧しい人間はあまり考えることをしなくなるので、それだけ私の餌食となりやすい。

私のもう一つの大きな見方は病気だ。肉体的に健康でないと、きちんと考えることができない。また地上には、人間の意識を支配するという私の目的を手助けしてくれるワーカーが数えきれないほどいる。

私はそういう協力者を社会のあらゆるところに配置しているのだ。

どんな人種、信条、信仰のグループにも必ず一人は私の協力者が存在している。

 

あなたの最大の敵は誰ですか?

 

自発的に考え行動を起こすことの重要さを人間に気付かせようとする者はみな私の敵だ。ソクラテス孔子、エマーソン、トマス・ペイン、リンカーンなど。

おまえも、あまり私の助けになるようなことはしていないな。

 

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陛下、この対話をはじめたとき、私はあなたのことを誤解していました。てっきりインチキな偽物だと思い込んでいたのです。でも、いまは、あなたが本物で、しかも非常に大きな力を持っていることがわかります。

 

わかってもらえればそれでいい。

それに、そのことはあまり気にする必要もないぞ。私の力を疑問視する人間は、これまでにも何百万もいた。そのほとんどは、彼らがあの世への門までやって来たときに私がいただいてしまったがね。

私は別に、誰にも信じてほしいとは思っていない。むしろ恐れられたいのだ。私は決して人に乞うたりなどしない!自分の欲しいものは自らの知恵で勝ち取る。信じてほしいと人に乞うのは対抗勢力のやることだ。

私はそんなことはしない。

 

陛下、誠に無礼とは思いますが、どうしても言いたいことがあります。

いまここでそれを言っておかないと、私は二度と自分の顏をまともに見ることができないでしょう。

陛下、何の罪もない人々に銃を向けるなんて、あなたほど卑劣な悪魔はいません。

私はずっとあなたを誤解していました。少なくともあなたは、人間が生きている間は私たちに手を出さないと思っていたのです。死んだ後に、その魂を苦しめるだけだと。

なのに、その図々しい告白を聞いていると、あなたは結局、人間から自由に考える権利を奪い、生きている間に地獄を味あわせているということになる。

それについて、何か言い分はありますか?

 

私は、自制心を働かせることで自分の欲するものを手に入れているのだ。

私には大して得にもならないが、1つおまえにアドバイスをやろう。

私のことを批判するよりは、私のことを真似してみてはどうだ。おまえは自分のことを「考える人」だと思っている。

確かにその通りだ。そうでなければ、こんな対話を私にさせようとはしなかっただろう。

しかし、自らの感情をコントロールすることを覚え、それを実行できるようにならない限りは、私を恐れさせるほどの「考える人」には決してなれないぞ。

 

性格の話はやめませんか。私はあなたのことが知りたくてここに来たのです。私のことなどどうでもいい。どうぞ、あなたが人間の意識を支配するために考え出した数々のトリックについて話してください。いまのあなたにとって最も強力な武器は何ですか?

 

 

れはなかなか難しい質問だ。人間の意識に入り込んだり、それをコントロールしたりする方法はいくつもあって、どれが最強とは言い難い。

いま私は、世界大戦を再び起こそうと企てていて、ワシントンDCにいる友人の助けを借りて、アメリカを巻き込む算段をしている最中なのだ。もし思い通りに世界が大規模殺戮を始めれば、そのときは私がお気に入りのマインドコントールを駆使することができるようになるだろう。

それは、集団的恐怖症とも呼ぶべきもので、一九一四年に1回目の世界大戦を起こしたときにも、一九二七年に大恐慌を起こした時にも使った。

もし、対抗勢力に裏をかかれることがなかったら、今頃私は世界中の人間を支配していたはずだ。おまえにも、あのとき私が世界征服まであと1歩のところまできていたのは分かるだろう。私はもう何千年も、それを目指して苦労してきたのだ。

 

確かに、言われていることはよく分かりました。

それが分からない者はいないでしょう。あなたは人間の意識を操ることにかけては天才的だ。その悪魔の企てを遂行するにあたってあなたが利用するのは、社会的に地位のある人物や、影響力の強い人たちだけですか?

 

まさか!私はあらゆる階層の人間の意識を利用する。実をいうと、私のお気に入りは、考えるということについて振りすらしない人間だ。そういう人間は実に操作しやすい。もしこの世が自分の頭で考えることのできる人間ばかりだったら、人類の98%を支配することなどとてもできないだろう。

 

私はあなたが支配しているという人々のことが心配でなりません。

どうぞ、あなたが彼らの意識の中に入り込んで、その意識をコントロールするという方法を私に教えてください。隠し事は1つもなしです。

では、一番巧妙なトリックからお願いします。

 

それは私に自殺しろと言っているようなものではないか。

なのに、私にはどうすることもできない!仕方ない。気持ちを落ち着けて、おまえの仲間たちが私から身を守る武器をおまえに授けてやろう。

 

 

 

⑤へ

つづく・・・

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